会話を聞くコツとして、前回の記事で「受け入れ」」と「共感」をご紹介してきました。

次のコツは、これらのコツと矛盾するようですがもっとも重要なコツです。

それは、「ブレない」ということ。

コミュニケーションで難しいのは本音と建前の使い分けです。

しかし、どちらも必要であり、片方のみだけではいけません。

では、「ブレない」について考えていきましょう!


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感情は流されやすい

会話を上手に聞くコツである、「受け入れ」「共感」だけを実行していくと必ずある問題にぶちあたります。

それは、「相手の感情に流されてしまう」こと。

 

次の例をみてみましょう。

松山くんは仕事に失敗した友達の愚痴を聞いています。

 

 

18

事故で渋滞しててさ、取引先との時間に間に合わなかったんだ・・

 

 

 

松山くん松山くん

そうか~・・そりゃ、運が悪かったなぁ・・

 

 

相手の話に関心をもち、共感しながら聞いていく松山くんですが・・

 

 

21

マジついてないよな~、30分も早めに向かったのに

 

 

 

松山くん松山くん

うん・・そうか~

 

 

 

18

絶対、遅れたらダメな大切な取引先だったんだよ!くそお~

 

 

 

松山くん松山くん

そりゃ~腹立つよな~

 

 

 

23

だろ!なんでよりによって事故なんか!

 

 

 

松山くん松山くん

う、うん・・

 

 

じょじょにヒートアップしていく友人に、松山くんはどこまで共感していいのかわからなくなってきました。

感情はとてもコントロールしにくいもの。

相手の感情の流れが激しくなれば、共感ばかりしていると一緒に流されてしまうことに。

ブレない自分を軸にする

確かに会話を上手に聞くコツの「受け入れ」「共感」はとても大切なことです。

ですが、会話とはお互いでするキャッチボール。

片方だけが好きなボールを感情にまかせて投げるばっかりでは良くありません。

確かに、相手の世界をイメージして共感することは大切です。

しかし、そこには建前と本音が混在しているもの。

相手の感情に流されないためにはしっかりとした「ブレない自分」をもっていることが重要です。


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本音は信頼を勝ち得る

相手の感情に合わせてばかりいては、それはただの「馴れ合い」になってしまうでしょう。

それではお互いにとっても良い会話といえません。

では、どうすれば相手の感情に流されないようにできるでしょうか?

それは・・

つねに「相手は自分とはちがう世界にいる」という基本を忘れないこと。

そしてきちんと自分の本音を伝えるときは伝えることです。

では、さきほどの例でもう一度、考えてみましょう。

 

 

21

マジついてないよな~、30分も早めに向かったのに

 

 

 

松山くん松山くん

うん・・そうか~

 

 

 

18

絶対、遅れたらダメな大切な取引先だったんだよ!くそお~

 

 

 

松山くん松山くん

・・・・・・・・

 

 

ここで、松山くんは自分の本音を伝えたい気持ちがわきあがってきました・・

 

 

23

なんでよりによって事故なんか!

 

 

 

松山くん松山くん

だったらさ、次は30分じゃなくてもっと早めに向かったらどうかな?

 

 

 

15

え?あ、ああ・・

 

 

 

松山くん松山くん

だいたい30分早めに出ても、まだ甘かったんだよ、重要な取引先ならもっと慎重になるべきだよ

 

 

 

16

う、うん・・・

 

 

松山くんは少し勇気をふりしぼって本音を伝えました。

それは、同調を続けるよりも相手のことを本当に思う気持ちがあるからこそ出た言葉です。

そして、それは必ず相手にも伝わるものです。

 

 

10

確かに甘かったかも・・。ありがとう

 

 

 

松山くん松山くん

うん。次からは気をつけろよ

 

 

 

2

ああ

 

 

このように、本音で接することは勇気がいりますが、それによって相手の信頼を得ることができるのです。

 

本当の自分でいよう!

今回ご紹介した「ブレない」というコツはとても難しいものです。

しかし、聞き上手になろうとして、建前ばかりでいては、いつまでも相手から本当の信頼を得られないペラペラな会話になるでしょう。

自分にウソをつかない

このことをいつも意識して「自分にブレない」会話を目指してみてください。

ですが、もちろん、場合によっては建前も重要です。

建前というと、何となくいい加減な感じがしますが、決してそうではありません。

矛盾しているようですが、上手なコミュニケーションには建前が必要な場面もあるのです。

しかし、本音を隠してまで相手に合わせ続ける必要はありません。

なぜなら、

「素直でウソをつかない自分でいること」

それが、相手の心を開くカギであり、気持ちを引き出すことになるからです。

 

ブレない自分でいることが

信頼を勝ち得る