「聞く」という言葉は、他にも「聴く」と表現しますよね。
コミュニケーションをより良くしていくためには、この「聴く」ということがとても重要です。
今回は、「聞くコツ その4」ですが、聞くは聞くでも、聴くについて深く学んでいきましょう!
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「聞く」と「聴く」のちがい
より良いコミュニケーションをするには話しベタでもかまいません。
(記事参照:話ベタでも大丈夫!大切なのは伝えたい気持ち)
よくコミュニケーションの本では、「相手と話を合わせるために日頃からたくさんの知識をインプットしておきましょう」とありますよね。
確かにそれはそうなのですが、実際は知識をあまり持ち合わせていなくても、とても上手に相手とコミュニケーションをとる人はたくさんいます。
つまり、コミュニケーション力に雑談力うんぬんという前にもっと大切なことがあるということ。
それは「聴く」という姿勢
では、一般的にいう「聞く」と「聴く」はどう違うのでしょうか?
■「聞く」とは
相手が口にしている言葉をそのままダイレクトに受け取ること。
■「聴く」とは
相手が口にしている言葉を「どういう感情をこめているのか」、「なぜそのような話をするのか」
言葉の背景にある相手の心や、その時々の気持ちを感じとりながら受け止めること。
このように「聞く」と「聴く」では相手の受け止め方が全くちがうのです。
上手に「聴く」コツ
では、どのようにすれば上手に相手の話を「聴く」ことができるでしょうか?
前回の記事で、相手が自分の興味のない話をしても「別世界の話だと思って関心をもつ」と書きました。
(記事参照:会話を聞くコツ その1 (受け入れ))
そのコツに続いて、もうひとつ上手に相手の話を「聴く」コツがあります。
それは、相手の話しを聴くときに、自分ではなく「相手を主語」にして受け止めてみることです。
たとえば、相手があなたが決してしないような言動を目の前でとったとします。
私なら、こんなひどい言い方はしない
「相手を主語」にしてごらん
彼女は、どうしてこんな言い方をしてくるんだろう
オレなら、あんなやり方より、もっと良い方法をとるのに
「相手を主語」にしてごらん
そうか、あいつは、こういう方法でやっていきたいんだな
このように、相手の話を聴いていくなかで、「私なら」、「オレなら」と思う部分を「相手」に変えてみるのです。
すると、どうでしょう、気づきましたか?
自分が主語だったときは相手の気持ちに歩み寄れない、つまりただ「聞く」だけの姿勢でした。
しかし、
相手を主語にすると、「どうしてだろう?」、「そうか」など、自分の立場からではなく、相手の立場で考えることができるのです。
とても簡単なコツであり、とても効果のあるコツなので、ぜひ実践してみてください。
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「心の言葉」に気づく
文章ではなく、相手と実際その場で会話をするとき、私たちはさまざまな情報を交換しあっています。
それは、相手が口に出して話す内容をダイレクトに受け取るよりも、ずっとずっと重要なこと。
以前の記事で「他人が決める印象の割合」をご紹介しました。
(記事参照:笑顔がコミュニケーションに必要な理由とは?)
このように、他人が印象を決めるのは話の内容ではありません。
外見の雰囲気や話し方、つまり、あなたがコミュニケーションをどのような姿勢でしているか?が93%も占めるのです。
人はどんなに隠そうとしても、頭ではなく、胸やお腹の中で湧き上がってきた感情というものは隠しきれないもの。
そんな相手の心を感じてみることが「聞く」と「聴く」の違いなのです。
白黒つけないで!
最近、若い人たちが使う言葉に「正論」という単語がありますよね。
ですが、何をもって「正論」と決めてしまっているのでしょうか?
大人数が賛成しているから?
一般的な常識だから?
そもそも、なにが常識でなにが非常識なのでしょうか?
出来事というのは事実として起こりますが、そこに自分の考えを加えて、真実にしているのはそれぞれ個人個人のはず。
つまり、「真実」というのは人の数だけ存在するということ。
何が言いたいのか?というと、「これは正しい」、「これは間違っている」と白黒つけない方が良いということです。
白黒つける視点から相手の話を受け取るということは、「他人が決める印象の割合」のうち、たった7%の話す内容だけで判断してしまうことになるのです。
残りの93%を知らないままでは、相手と上手にコミュニケーションなんてとれませんよね。
ですから、「正しい」、「間違っている」という視点からではなく、相手が「どんな感じ」で話しているのかを受け取めてみてください。
昨日さ、駅でぶつかってこられたから怒鳴ってやったさ
言葉の内容だけでなく相手の心を感じてごらん
(いつもと様子がちがうな、普段ならそのくらいで怒鳴るヤツじゃないのに)
このように相手の言葉をダイレクトに受け止めるのではなく、心を感じてみてあげてください。
相手に与えるものが自分に与えられる
ご紹介してきた内容を読んで、コミュ障だと思っているあなたは・・・
自分がこんな対応をしてもらいたいよ
と、思ったかもしれません。
しかし、だとしたら、ますます、あなたの方から、そのような対応を相手にしていく必要があるのです。
なぜなら、世の中には絶対的な順番というものがあるから。
つまり・・
1番目が「欲しい」という順番ではいくら待っても与えてもらえません。
必ず、1番目は「与える」
これが鉄則なのです。
上手なコミュニケーションをとるために、ぜひ「聞く」ではなく、「聴く」をあなたの方から実践してみてください。
そうすれば、じょじょに周りは変わっていきます。
「コミュ障に悩み、なかなか自分の心を言葉にできない」
そんな、あなたの気持ちを受け止めてくれる人が必ずあらわれるようになるでしょう。
まずは自分から相手のことを
「聴く」ようにしてみよう